【学術論文の掲載決定】副院長・後藤繁宗の研究が日本慢性疼痛学会誌「慢性疼痛」に採用されました
日本慢性疼痛学会誌「慢性疼痛」に学術論文の掲載決定されました!
こんにちは。日進トリガーポイント鍼灸院、副院長の後藤繁宗です。
このたび、私が筆頭著者として執筆した研究論文が、
日本慢性疼痛学会の学会誌
機関誌「慢性疼痛」に採用され、掲載が決定しました。

論文のタイトルは、以下のとおりです。
【疼痛を主訴とする鍼灸院利用者における疼痛破局化思考の反芻および疼痛自己効力感と医療機関受診歴との関連
―心理社会的プロファイルによる探索的検討―】
本研究は、私が名古屋トリガーポイント鍼灸院に在籍していた時期から、共同研究者の先生方と取り組んできたもので、同院の初回来院者を対象に、痛みに関する心理社会的な特徴と医療機関受診歴との関係を検討しました。
私たち日進トリガーポイント鍼灸院は、「チーム医療で身体と心を丸ごと支え続ける鍼灸院」をコンセプトに掲げています。
目指しているのは、痛みを軽減することだけではありません。
患者さんが痛みの先にある「やりたいこと」を取り戻し、生き生きと楽しい生活を送れるようになるところまで、整形外科と連携しながら支えることを大切にしています。
今回の研究も、身体の状態だけでは捉えきれない痛みを、心理面や生活背景を含めて理解し、患者さんに必要な支援や医療連携につなげたいという思いから取り組んだものです。
研究の背景
痛みは、身体の組織や筋肉の状態だけで決まるものではありません。
不安や恐怖、痛みに対する考え方、生活環境、仕事、人間関係など、さまざまな要因の影響を受ける個人的な体験です。
特に慢性的な痛みに対しては、身体的な要因だけでなく、心理面や社会生活も含めて捉える「生物心理社会モデル」という考え方が重要とされています。
鍼灸院には、急性の痛みから長く続く慢性疼痛まで、さまざまな背景を持つ方が来院されます。
そのため、痛みの強さや部位だけでなく、
- 痛みのことが頭から離れない
- 痛みに対する不安や心配が強い
- 痛みがあっても日常生活を続けられると感じられるか
といった心理社会的な特徴も、丁寧に確認することが大切です。
どのような研究を行ったのか
本研究では、2024年10月から2025年10月までに、疼痛を主訴として名古屋トリガーポイント鍼灸院を初めて利用した428名のデータをもとに解析を行いました。
主に評価したのは、次の2つです。
疼痛破局化思考の「反芻」
疼痛破局化思考とは、痛みについて繰り返し考えたり、痛みを強い脅威として捉えたりする心理的な傾向です。
今回は、その中でも「痛みのことが頭から離れず、繰り返し考えてしまう傾向」を表す「反芻」に注目しました。
疼痛自己効力感
疼痛自己効力感とは、痛みがあったとしても、仕事や家事、趣味などの必要な活動を続けられるという自信を表します。
「痛みを完全になくせる自信」ではなく、「痛みがあっても自分らしく生活できると感じられるか」を評価するものです。
研究から分かったこと
主要な解析対象となった371名のうち、218名、全体の58.8%に、主訴とする痛みに対する医療機関の受診歴がありました。
解析の結果、
- 痛みについて繰り返し考えてしまう「反芻」が強いこと
- 痛みがあっても活動できるという「疼痛自己効力感」が低いこと
は、それぞれ医療機関受診歴と関連していました。
また、反芻が高く、疼痛自己効力感が低いという両方の特徴を持つ方では、79.0%に医療機関の受診歴が認められました。
ただし、この結果は、「反芻が強いから医療機関を受診した」といった因果関係を示すものではありません。
また、これらの心理尺度だけで、医療機関への紹介が必要な方を判定できるものでもありません。
患者さんのこれまでの経過や心理社会的な特徴を理解し、必要な支援や医療連携について考えるための、基礎的な知見として位置づけています。
なぜ鍼灸院で心理社会面を評価するのか
慢性的な痛みを抱えている方の中には、検査で大きな異常が見つからなくても、痛みへの不安や日常生活への影響が続いている方がいらっしゃいます。
私は、そのような場合には、痛みのある場所だけを施術するのではなく、
- これまでどのような検査や治療を受けてきたのか
- 痛みによって何ができなくなっているのか
- どのような不安を感じているのか
- これから何ができるようになりたいのか
といったことを、患者さんと共有する必要があると考えています。
心理状態を評価することは、「痛みは気持ちの問題」と判断するためではありません。
身体面だけでは捉えきれない痛みの背景を理解し、その方に必要な支援を一緒に考えるために行うものです。
研究を医療連携と日々の臨床へ
今回の研究は、論文を発表することだけを目的としたものではありません。
私は、研究から得られた知見を日々の臨床へ還元し、患者さんの状態をより深く理解できる鍼灸院をつくることが重要だと考えています。
日進トリガーポイント鍼灸院では、さいとう整形外科リウマチ科日進分院滝澤院長と共に連携し、身体の状態だけでなく、患者さんの不安や生活背景、治療目標も大切にしながら施術を行っています。
医療機関での検査や治療が必要と考えられる場合には、医師と相談・連携できる環境を活用し、より安心して施術を受けていただける体制づくりに取り組んでいます。
痛みを完全にゼロにすることだけではなく、痛みがあっても自分で状態を管理し、仕事や家事、趣味など、その方らしい生活を取り戻すこと。
そのような支援につながる研究と臨床を、これからも積み重ねてまいります。
著者・共同研究者
本論文は、以下の共同研究者とともに執筆しました。
※所属は論文投稿時のものです。
- 後藤 繁宗 名古屋トリガーポイント鍼灸院 現:日進トリガーポイント鍼灸院 副院長
- 糸井 信人 病鍼連携連絡協議会/Cubic Lab.
- 前田 寛樹 名古屋トリガーポイント鍼灸院
- 高橋 健太 名古屋トリガーポイント鍼灸院 現:日進トリガーポイント鍼灸院
- 名取 霞 名古屋トリガーポイント鍼灸院 現:日進トリガーポイント鍼灸院
- 松本 美由季 病鍼連携連絡協議会/Cubic Lab./昭和医科大学医学部リハビリテーション医学講座
ご協力いただいた皆様へ
本研究の実施にあたり、さいとう整形外科リウマチ科院長・斉藤究先生には、研究の実施および院内データの利用に際して、多大なるご理解とご協力を賜りました。心より感謝申し上げます。
また、本研究に携わってくださった共同研究者の皆様、日々の臨床とデータ収集に協力してくださったスタッフ、そして研究へのご理解とご協力をいただいた患者様に、深く御礼申し上げます。
多くの方のご協力があって、今回の論文掲載決定につながりました。
今後の研究について
今回の研究は、鍼灸院における心理社会的評価と医療機関との連携を考えるための、第一歩です。
今後は複数の施設で患者さんを継続的に追跡し、心理社会的な評価が医療連携や患者さんの経過にどのように役立つのかを検証していく必要があります。
鍼灸院と医療機関がそれぞれの役割を生かしながら情報を共有し、患者さんを中心とした支援につなげられるよう、引き続き研究に取り組んでまいります。
当院の特徴
日進トリガーポイント鍼灸院では、
-
整形外科医監修
-
エコーを活用した安全な施術
-
トリガーポイント治療
-
学会発表・研究活動
-
院内勉強会による継続的な技術向上
に力を入れています。
まとめ
日進トリガーポイント鍼灸院の副院長・後藤繁宗が筆頭著者として執筆した研究論文が、日本慢性疼痛学会誌「慢性疼痛」に採用され、掲載が決定しました。
当院では、整形外科との医療連携、エコーを活用した施術、トリガーポイント鍼灸、学術・研究活動を通じて、施術の質向上に取り組んでいます。
これからも、身体と心の両面から患者さんを支え、痛みの先にある生活や社会参加まで見据えた鍼灸医療を目指してまいります。

- 医師監修の安心・安全な施術体制
- 日進市浅田町・地下鉄鶴舞線「赤池駅」車で5分
- 無料駐車場完備・予約制
- 国家資格保有の鍼灸師が施術担当
